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スポーツの出来を左右!?
噛み合わせの不思議

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スポーツの出来を左右!?
噛み合わせの不思議

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スポーツの新常識!噛み合わせの重要性とは

日本人アスリートの世界での活躍が目立つ昨今――体格では欧米諸国に劣るものの、 持ち前の技術とチームワークを駆使してさまざまな競技で結果を残すその姿は多くの感動を呼んでいます。そんな活気づくスポーツ業界において注目は“スポーツ人口”が増加していること。檜舞台を目指すトップアスリートたちが日夜トレーニングに励んでいるかたわら、健康ブームにも後押しされ体を動かすことを趣味とする人が増えているそうです。

そんなスポーツにおいては「力を入れる」「力を伝える」動作がベースであり、高いパフォーマンスを引き出すためには、実は噛み合わせがキーになることをご存知でしょうか?また、スポーツのみならず、噛み合わせによって「力のバランス」を保つことは、健康維持においても重要なファクターです。そこで今回はアスリートへの矯正治療の経験もある五十嵐歯科室の五十嵐祐二先生にスポーツ・健康における噛み合わせの重要性について話を伺いました。

インタビュー協力歯科医師紹介

Profile

【経歴】
1995年 慶応義塾志木高等学校 卒業
2001年 日本歯科大学歯学部 卒業
2002年 日本歯科大学附属病院臨床研修 修了
2003年 都内の歯科矯正歯科医院 勤務(非常勤)
2006年 日本歯科大学大学院歯学研究科 修了(歯学博士号取得)
旧 五十嵐歯科室(新宿東口)勤務(常勤)
2009年~日本歯科大学生命歯学部 非常勤講師
2016年 新宿西口 五十嵐歯科室 開院

【認定】
日本口腔診断学会 認定医
日本顎咬合学会 認定医(噛み合わせ認定医)

五十嵐 祐二先生(五十嵐歯科室)

アスリートにとって噛み合わせが重要なワケ

■噛み合わせはパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある

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――本日は主にスポーツや健康と噛み合わせの関係について質問をさせていただきます。先生のクリニックにはアスリートの患者さんもいるとのことですが、アスリートに特化した矯正治療を行っていますか?

五十嵐先生 基本的にはどの患者さんにも噛み合わせを重視した矯正治療を行っていますので、アスリートだからといって特化した治療を行っているわけではありません。噛み合わせが悪いと顎のずれが生じ、顎の周囲の筋肉に過度な緊張を引き起こします。体の中で最も重い頭を支えている首や背骨、腰に負担がかかるため、慢性的な首や肩のこり、腰痛などの原因になります。一般の患者さんもアスリートの患者さんも噛み合わせを改善して体のバランスを整えることが大切です。力や身体的なバランスがパフォーマンスや怪我に関係するアスリートの患者さんに対しては、そのスポーツの特性を考慮しながら治療を行っています。

――特にどのようなスポーツにおいて噛み合わせは重要なのでしょうか?

五十嵐先生 歯が正しく噛み合うことによって人は力を最大限に発揮できるので、特に歯を食いしばって強い力を一定の時間発揮する必要があるウエイトリフティング、ラグビー、ボート競技などは噛み合わせが重要になります。また、体操のようにボディバランスや体を静止させることが重要な競技でも噛み合わせが安定していないとパフォーマンスは低下します。逆に持久力系のマラソンとかスピードや反応速度が求められる卓球などにおいては、競技中に強く食いしばることは少ないと思います。このようなスポーツでも噛み合わせの悪さからボディバランスに歪みが出ると、一部の筋肉が緊張状態となり、首や手足の可動域が狭まり、パフォーマンスの低下や怪我のリスクが高まるため、噛み合わせのバランスは重要です。

――すべてのスポーツで力を入れて強く食いしばることがいいわけではないのですね。

五十嵐先生 そうですね。瞬間的に強い力を出す時や、体が動かないように固定する時などは食いしばった方がパフォーマンスは高まりますが、食いしばらない時の方がリラックスして結果が出るケースも多くあります。例えば、陸上競技の短距離走などでは、スタート前後は固定させた体から強い瞬発力を発揮するために噛む必要がありますが、トップスピードに到達した後も噛みしめていると余計な力が入ってむしろパフォーマンスは下がってしまうといわれています。噛み合わせはアスリートのパフォーマンスを引き出すうえで重要ですが、食いしばることはパフォーマンスを高める場合もあれば下げてしまう場合もあるのです。

■アスリートが矯正治療を行うべきタイミングとは

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――では噛み合わせはアスリートのパフォーマンスに大きく関わる要素になりますが、その良し悪しによって集中力や動体視力、力の発揮の仕方に違いはあるのでしょうか?

五十嵐先生 噛むことで脳血流量が増えることが分かっており、認知や意思決定を担う前頭連合野と呼ばれる領域の血流が増加するため、集中力や判断力が高まります。噛むことが動体視力や筋力を向上させるという研究報告もあります。噛むという刺激が三叉神経を介して脳に伝わり、全身の筋力や視力に影響を与えていると考えられています。

また、前後、左右の噛み合わせのバランスが悪いと顎のずれを引き起こし、体のバランスに影響します。基本姿勢や平衡感覚に問題が生じるため、パフォーマンスが下がってしまいます。

――すごく納得できました。つまりは噛み合わせに関してもバランスが重要なのですね。噛み合わせが正しくないとパフォーマンスを発揮しづらいと言われるのも、そうした要因があったのですね。

五十嵐先生 そうですね。噛み合わせを改善する方法には、全体的な歯並びを治す矯正治療、歯の削合や差し歯などで噛み合わせを修正する方法、マウスピースで噛み合わせを調整する方法、歪みの原因となっている悪習癖を修正するトレーニングなどがありますが、選手の置かれている状況によっては応急的な処置しかできないこともあります。

これからアスリートとして飛躍していきたいと考える若い選手には、噛み合わせや歯並びに問題がないか専門の歯科医院で診てもらい、問題があるようなら早期に治療を受けられることをおすすめします。成長期の若い選手では、噛み合わせの悪さや、それを助長する生活習慣・悪習癖が本来の理想的な成長を妨げ、顎の歪みや体のバランスを崩してしまう原因になります。アスリートは体が資本ですので、成長後に歪んだ体を治すよりも、バランスの良い成長を促し歪んでいない体をつくることの方がはるかに大事です。特に全体的な噛み合わせ、歯並びを改善できる矯正治療を行う場合、大人よりも成長過程にある若年者の方が歯は早く動きますし、若い時期に噛み合わせを適切な状態にしたほうが利点が多いと思います。

――確かにこれから競技で活躍したいと考えるのであれば、若い頃から矯正治療を始めた方がいいですね。その方が歯並びも整いますし、見た目も良くなります。

五十嵐先生 そうですね。五輪で表彰台に立つような活躍をされている方でも、日本人の場合は歯並びが悪いケースが結構あります。一方で海外の選手は歯列がキレイに整った方ばかりですよね。日本人と欧米人の歯並びには骨格の違いも影響していますが、海外では歯並びでその人の育ちを判断されることも多いので、競技での活躍を目指す方は、競技レベルの向上という点だけでなく、見た目の美しさという点でも、矯正治療を行うメリットがあります。

矯正治療で歯並びがきれいになると、口元や歯並びのコンプレックスがなくなり、積極的にコミュニケーションをはかったり、人前で気にせずに大きく笑ったりできるようになります。矯正治療は、噛み合わせが良くなることでのパフォーマンスの向上に加えて、このように見た目が良くなることでの心理的な変化をもたらす効果がありますので、若いうちに矯正治療を始めた方がメリットは大きいと思います。

健康においてもキーとなる噛み合わせのバランス

■食いしばりや噛みしめが体の不調の一因になることも

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――アスリートにおいて噛み合わせが重要なことはわかりましたが、一般人においても同様のことは言えるでしょうか?

五十嵐先生 一般の方においても噛み合わせは重要です。噛み合わせや歯並びが原因で顎の位置がずれると、体のバランスが崩れやすくなり、肩こりや腰痛などを引き起こす可能性があります。顎関節に負担がかかると、口が開けにくい、口を開けた時に音がする、関節付近に痛みが出るなどの顎関節症の原因にもなります。また、噛み合わせが乱れていると、特定の歯に過剰な力がかかったり、ブラッシングなどの際に清掃がしづらかったりします。そうなると虫歯や歯周病に罹患するリスクも高まります。

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――なるほど。だからこそ健康を維持するうえでは噛み合わせを整えることが重要なのですね。そもそも、噛み合わせが悪くなってしまうのはどうしてなのでしょうか?

五十嵐先生 噛み合わせや歯並びの問題は、骨格や歯の大きさなどの遺伝的な要因と、後天的な要因が複雑に関与して起こると考えられます。歯が相対的に顎のサイズより大きいと歯が並びきらずにデコボコの叢生になります。上顎に比べて下顎の成長が弱いと出っ歯に、下顎の成長が著しいと受け口になります。

後天的な要因としては、例えば、指しゃぶりや舌を突出させる癖があると上下の前歯が噛み合わない開咬になりますし、下唇を噛む癖や頬を吸う癖があると出っ歯や叢生になります。うつ伏せでの就寝姿勢や、頬杖、片噛みなどの習慣は、顎が歪む原因になります。また、むし歯を治療せずに放置したり、歯を抜いたまま治療を継続しなかったりすると、周囲の歯が移動して噛み合わせがずれてしまいます。歯ぎしりによって歯が擦り減ることでも噛み合わせは変化していきます。

――普段、何気なく行っている習慣や癖が噛み合わせや歯並びに影響しているのですね。その他に、気をつけるべきことはありますか?

五十嵐先生 多くの方が悩まされている顎関節症、慢性的な肩こり、頭痛の原因として、日常的に噛み続けていることが関係している場合があります。本来、リラックスしている状態では、上下の歯は接触せずに1~2mm離れていますが、日常的に噛んで上下の歯を接触させている方は少なくありません。この日常的に噛んでいる状態とは、力をいれて噛みしめることではなく、単に上下の歯を接触させ続けている状態のことです。歯列接触癖(TCH:Tooth Contacting Habit)と呼ばれるもので、この程度の接触でも顎の周囲の筋肉には緊張が起こっており、この状態が長時間続くと、顎関節症、顎の疲労感、首の張り、肩こり、頭痛、目の痛み、耳鳴りなどの様々な不定愁訴を引き起こす可能性があります。

歯列接触癖がある方は、噛みしめている自覚がないために気づいていないことが多く、そもそも上下の歯を接触させるのが普通だと思っている方もいらっしゃいます。午前中は症状がなく、午後になって肩こりや頭痛が頻繁にある方は、仕事中などに上下の歯が接触していないかセルフチェックをおすすめします。

また、歯を擦り減らして噛み合わせを変化させる歯ぎしりについても気をつける必要があります。起床時に顎に疲労感を感じる方、周囲から歯ぎしりを指摘される方、明らかに歯が削れている方は、就寝時にマウスピースを装着して歯が擦り減るのを防ぐことが大切です。

体のバランス維持のための「力のコントロール」

■医師が診てもわかりづらい「力のかかり方」

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――噛み合わせはスポーツにおいても、健康においても重要で、過度に力が加わったり、力のバランスが崩れたりすることで不調に陥る危険性があることを学べました。噛み合わせに関して五十嵐先生が診察の際に気をつけていることについても教えてください。

五十嵐先生 最初に患者さんのお顔を拝見して、お顔の輪郭や左右の対称性などから骨格に問題がないか、噛み合わせに影響する力の問題がないか、バランスに問題がないか確認しています。外見からでも、噛み合わせの状態、噛む力の強弱、歯並びに影響を及ぼす習癖の有無などをある程度判断することができます。また、椅子に座っている時の姿勢なども参考にしています。

お口の中を実際に拝見して噛み合わせの状態を確認しますが、その時に、歯、歯肉、舌、頬粘膜、口唇などの所見や、X線写真、CT画像などから総合的に噛み合わせに影響する問題を把握するようにしています。歯と顎のサイズなどは測定すれば分かることですが、同じように噛み合わせに影響を与える「力」は目で見ることができないため、様々な所見や生活習慣から推測するようにしています。

――力は目に見えるものではないですからね。

五十嵐先生 まったくその通りです。患者さん自身が気づかないだけでなく、医師にもわかりづらいものです。患者さんとの会話を通して、生活習慣の中に噛み合わせに影響を及ぼす力の問題が潜んでいないか確認することを心がけています。先ほどもご説明しましたが、うつ伏せでの就寝姿勢、頬杖、片噛み、咬唇癖、歯列接触癖などの何気なく行っている日常習癖は、噛み合わせのバランスを崩す原因となるため、患者さん本人がこれらの問題を認識したうえで、「力をコントロールすること」が大切です。力のコントロールという点では、噛み合わせを整える矯正治療も同じで、見た目を治すことだけが目的ではなく、歯や顎関節などに過剰な力がかからないようにコントロールすることが重要な目的となります。

■スポーツに適した矯正装置とは

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――今日はスポーツから派生して健康、そして噛み合わせのバランス、力のコントロールにまで話が及びました。ちなみに噛み合わせを改善するために矯正を行うとしたら、スポーツをするうえではどの矯正装置がもっとも適していますか?

五十嵐先生 ラグビーやサッカーなど相手選手と接触する機会の多いコンタクトスポーツでは、ケガの危険性が少ないのはマウスピース矯正(画像右)になります。また、装着した際の見た目も気にならないので、相手とあまり接触しないスポーツでも、最近はマウスピース矯正を選ぶ患者さんが多い印象です。マウスピース矯正は、以前は適応症例が限られていましたが、治療実績の積み重ねと技術革新によって現在は幅広い症例に対応できるようになってきました。

一方で、「矯正」という言葉で多くの方が思い浮かべるワイヤー矯正は、ほぼすべての不正咬合(悪い歯並び)に対応できる点がメリットです。ワイヤー矯正には、一般的な表側矯正(画像左)と、費用がかかるものの装置が目立たない裏側矯正があります。特に表側矯正は、コンタクトスポーツで唇などを傷つけるリスクがありますが、マウスガードを装着すれば怪我を予防することができます。私は、それぞれの患者さんに合わせて最適な装置を提案することを心がけています。

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――最子供にスポーツを習わせたいと考えている親御さんに対して、小児矯正をすすめるとしたらいつ頃が最適でしょうか?

五十嵐先生 子供の矯正治療を開始する適切な時期は、成長発育や噛み合わせの状態によって異なります。子供の時に矯正を行うと、成長発育に合わせて上下の顎のバランスを整えやすくなるメリットがあります。特に、受け口など上下の顎の大きさに違いがある場合や顎が左右どちらかにずれている場合は、6歳前後から治療を開始した方がよい治療結果を得られやすくなると思います。まずは7歳ぐらいまでに一度、歯科医院で歯並びと噛み合わせのチェックを受けられることをおすすめいたします。

デコボコや出っ歯などの歯並びを治療する場合も、永久歯が生え揃う前の小学校高学年までに治療を開始すると、成長発育を利用できることや早期に気になる噛み合わせを改善できる利点があります。先ほど、コンタクトスポーツでの怪我の危険性が少ない装置としてマウスピース矯正をご説明いたしましたが、これからスポーツを始めるこの年齢のお子さんにもマウスピース矯正を使用することができます。 また、アクティブにスポーツを行い、見た目も気にする年頃の中学生・高校生にも、目立ちにくいマウスピース矯正は向いていると思います。

■働く女性やお子さん連れのお母さんも通いやすいクリニック

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――本日はいろいろとお話しいただき、ありがとうございました。最後になりますが、先生のクリニックについても少しお伺いしたいと思います。新宿駅徒歩1分の抜群の立地条件で、さらに白を基調とした清潔感のある院内も落ち着いた雰囲気ですごく素敵ですよね。

五十嵐先生 ありがとうございます。大人の患者さんが多いので落ち着いて診療を受けられる環境を心がけています。また、誰にとっても通いやすい医院でありたいと思っています。歯や噛み合わせについて関心が高い方が多いので、患者さんのご期待に応えられるように新しい治療技術や設備を積極的に取り入れながら日々努めております。

――特に女性が通いやすいクリニックという印象を受けました。「五十嵐歯科室」というネーミングからも“オフィスの一室”で治療が受けられるような都心の洗練されたイメージを想起しました。働く女性や小さいお子さんを持つお母さんが憧れるような環境ですね。

五十嵐先生 そう言っていただけて光栄です。おかげさまで女性誌を中心に複数の媒体(美人百花、CREA、CLASSY、Withなど)での紹介もあり、女性の患者さんに多く来ていただいております。新宿駅すぐという立地なので、働く女性や子育て中のお母さんが仕事後や買い物のついでに通える、ライフスタイルに馴染むクリックでありたいですね。